先日観た実話をもとした映画「モーリタニアン黒塗りの記録」に私はとても励まされた。
この映画はアメリカのテロ911で犯人に疑われ拘留されてしまい、無実を訴え続けるも14年の間投獄され、その間拷問を受けた人の実話を映画化したものだ。
観ていて私はまるで同じように拷問を受けているような気持ちになった。
酷いシーンが続く映画を観続けることは私には耐えられなかったが、この主人公がどうなってしまうのかあまりに理不尽だと思い、結局、最後まで観ることができた。
投獄されている同胞が拷問に耐えられず自死してしまう中、彼は投獄中ずーっと神に祈り続け自分が解放されることを強く信じていた。
拷問を受けるたびに、神に祈ってすべての赦しを乞うていた。
絶望の中、祈りしかないような環境で神・希望を信じるしかないのだ。
拘束されている彼の祈りの強さからか、優秀で心ある女性弁護士(ジョディーフォスター)と繋がることができたと言える。
投獄から7年後に裁判で彼は(尋問・拷問など)自分にされたすべてのことを赦すと話した。
あんなにめちゃくちゃで人格破壊的な拷問を受けても裁判官にすべてを赦すと言ったのだ。
しかし、その裁判で勝ったにもかかわらず・・・さらに、7年間も投獄され続けた。
その映画で私が一番驚いたのは、映画の最後に本人の映像が映し出され、彼が突き抜けたようなオーラーをしていたことだ。
すべて吹っ切れていたのか、彼のオーラはとても明るかった。
たとえ、裁判で彼が救われたいという思いから、言い訳としてすべてを赦すと語ったとしても、それは かまわないと思う。
無実なのに拷問投獄されることは私には到底想像すらできないことだが。透き通った彼のエネルギーを見て人は深い闇から救われていくと、まるで魂が洗濯されたかのようにピカピカになるんだと思った。
★なぜ?人は絶望の中、どうやったら生きる希望を失わず、それを信じることができるのだろうか?
悪いことを何もしていないのに、殴られ痛めつけられ続け、やった相手をどうしたら許せるのだろうか?
突然、故郷から連れて行かれアメリカの独房に入れられ、14年の間、どうやったら精神がおかしくならずにいられるのだろうか?
とても想像を絶することばかりで私なら神も仏もないと思い恨むことだろう。
そして、死んでしまうか、狂ってしまうかもしれない。
★彼の魂はこんな凄まじい体験を求めていたのだろうか?
私には絶対にできない、理解できないことだ。
彼はたぐいまれなる強靭な魂の持ち主なのだろうか。
その人にとってどんなに厳しく難しい体験であっても、生きる希望を失ってはいけないということをこの実話は教えてくれた。
♥世界は矛盾にあふれ理不尽なことが多い。
人種差別があり、貧富の格差がある。
子どもはたまたまそういう不運な家に生まれただけで困難が始まる。
これは避けては通れないことかもしれない、しかし、この実話が教えてくれているのは、人はどんな時もどんなところに居て何が起こっても・・・あきらめないで神に祈り・希望を信じていればやがて光の道へと導かれていくということだ。
そして、私はそれを信じて生きていきたい。